ISO42001AIMS品質マニュアルの必要性
規格要求事項に下記のように記載されている。
品質マニュアルそのものの文言は、見られないがやはりAIマネジメントシステム(AIMS)を運用するには,品質マニュアルは作成する必要がある。
7.5 文書化した情報
7.5.1 一般
組織の AI マネジメントシステムは,次の事項を含む。
a) この規格が要求する文書化した情報;
b) AI マネジメントシステムの有効性のために必要であると組織が決定した,文書化した情報。
注記 AI マネジメントシステムのための文書化した情報の程度は,次のような理由によって,それぞれの組織で異なる場合がある:
— 組織の規模,並びに活動,プロセス,製品及びサービスの種類;
— プロセス及びその相互作用の複雑さ;
— 人々の力量。
7.5.2 文書化した情報の作成及び更新
文書化した情報を作成及び更新する際,組織は,次の事項を確実にする。
— 適切な識別及び記述(例えば,タイトル,日付,作成者,参照番号);
— 適切な形式(例えば,言語,ソフトウェアの版,図表)及び媒体(例えば,紙,電子媒体);
— 適切性及び妥当性に関する,適切なレビュー及び承認。
7.5.3 文書化した情報の管理
AI マネジメントシステム及びこの規格で要求されている文書化した情報は,次の事項を確実にするために,管理する。
a) 文書化した情報が,必要なときに,必要なところで,入手可能かつ使用に適した状態である;
b) 文書化した情報が十分に保護されている(例えば,機密性の喪失,不適切な使用又は完全性の喪失からの保護)。
文書化した情報の管理に当たって,組織は,該当する場合には,必ず,次の行動に取り組む。
— 配付,アクセス,検索及び使用;
— 読みやすさが保たれることを含む,保管及び保存;
— 変更の管理(例えば,版の管理);
— 保持及び廃止。
AI マネジメントシステムの計画策定及び運用のために組織が必要と決定した外部由来の文書化された情報は,必要に応じて識別し,管理する。。
注記 アクセスには,文書化された情報だけを閲覧する許可,又は文書化された情報を表示及び変更する許可及び権限に関する決定を意味することがある。
ISO/IEC 42001とは
情報技術-人工知能-マネジメントシステム
ISO/IEC 42001は、AIマネジメントシステム(AIMS)に関する国際標準規格です。以下にその主な特徴を説明します:
目的
AIシステムの信頼性、安全性、倫理的な開発と運用を支援するための包括的なガイドライン
組織がAIシステムを責任を持って管理するためのフレームワークを提供
主な特徴
2023年10月に正式に発行された比較的新しい規格
AIの開発、展開、運用における包括的なリスク管理アプローチを定義
AIシステムのライフサイクル全体を対象とする
重点分野
AIシステムのガバナンス
リスク管理
倫理的考慮事項
セキュリティと信頼性の確保
プライバシー保護
AIの透明性と説明可能性の向上
対象組織
AI技術を開発・利用するすべての組織
大企業から中小企業まで幅広く適用可能
この規格は、AIの急速な発展に伴う倫理的、法的、社会的課題に対応するための重要な国際的枠組みとなっています。
ISO/IEC 42001 情報技術-人工知能-マネジメントシステム